2008-02-21(Thu)

『てるてるあした』

大好きだった『ささら さや』の続編が、やっと文庫になりました。ドラマでしていた時は、まだこっちを読んでいなくて、見たいんだけど、小説を読むより先にあらすじがわかっちゃうし…と悩んで、とびとびにドラマを見たりしていました。なので、ラストはちょっとわかってたんですが、やっぱり小説はいいですねぇ。
『ささら さや』と同じく、ちょっと不思議な事が起きるささら市で、前作に引き続き、さやと三婆、エリカさん達が登場します。ユウ坊やダイヤ君も、ちょっと成長しています。
加納さんらしい、ほわんと優しい作風なんだけど、テーマがちょっと重たい。けど、加納さんだからこそ、重くなりすぎずに、泣ける作品になっているんでしょうねぇ。
主人公の母親は、大好きだった自分のあだ名を自分の娘の名前にしていることから、娘を愛したかったんだと思います。でも、自分が愛されなかったから、どうやって娘を愛したらいいかわからなかったんですねぇ。こういうのが虐待の連鎖っていうんでしょうか。
てるてるあした (幻冬舎文庫 か 11-2)てるてるあした (幻冬舎文庫 か 11-2)
(2008/02)
加納 朋子

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ささらさや (幻冬舎文庫)ささらさや (幻冬舎文庫)
(2004/04)
加納 朋子

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2008-02-05(Tue)

『アヒルと鴨のコインロッカー』

大学進学の為に一人暮らしを始める「僕」が、入居早々、隣に住む青年に、いきなり本屋襲撃に誘われる所から、物語は始まります。
その後、「僕」(椎名)視点のエピソードと、2年前の「琴美」視点のエピソードが交互に進んで行きます。
最初は、あとがきにも書かれているように、村上春樹さんの『本屋再襲撃』っぽい展開だなぁ、と思い、少し進むと、ある出来事から、アーヴィングの『熊を放つ』っぽい?とも感じましたが、終盤になり、ばらばらに思えたそれぞれのエピソードも、だんだんと接点が増えてきて、一気に繋がった辺りから、泣けてきてしまいました。かなりスピード感のある小説なのに、読者を置いていってしまったりしない所に、かなり練られているなぁ、という感じがします。後、伏線の張り方もうまいですねぇ。伊坂さんの小説は初めて読んだんですが、好きになってしまいました。
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
(2006/12/21)
伊坂 幸太郎

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2007-12-30(Sun)

『あかんべえ』

宮部みゆきさんの時代物をまた読んでみました。
引っ越してすぐに、原因不明の大病で三途の川原にまで行ってしまった12歳のおりん。何とか生き返ったのはいいけれど、それ以来、新しい家に住みついている5人の幽霊を始め、あらゆる幽霊が見えるようになってしまいました。
おりん以外にも、幽霊が見える人はいるんですが、その見え方にはちょっとした規則があって、どうやら、自分に似た境遇や心境の幽霊しか見えないようです。つまり、幽霊は、自分を映す鏡のようなもので、それを見て、人の道に戻るか、踏み外してしまうかを決めるんですね。自分はああなってしまうんだ、と、我が身を振り返って恐ろしくなると、人としてやり直せるのです。
で、幽霊たちの合わせ鏡のような、おりんを取り巻く大人たちの事情と、成仏できずにとどまっている幽霊たちの事情がリンクして、少しずつ色んな謎が解明されていきます。人間たちの騒動を解決しようとしつつ、幽霊たちが成仏する方法を探る中で、もともとしっかりしていたおりんも、更に成長して大人になって行きます。すべての元凶は、生きながらにして鬼になってしまったような人物だったのを見ると、人間というのは恐ろしいものだなぁと思います。
あかんべえ〈上〉 (新潮文庫)あかんべえ〈上〉 (新潮文庫)
(2006/12)
宮部 みゆき

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あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)
(2006/12)
宮部 みゆき

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2007-12-21(Fri)

『間宮兄弟』

生まれたときからずっと、同じ町で一緒に暮らし続けている間宮兄弟。悪い人たちではないんだけれど、というよりむしろ、善良すぎるくらいなんだけれど、さっぱり女性と縁がありません。
でも、この夏は、兄弟の住むマンションに、女性たちが集まることに!結局、兄弟の恋が実る事はなく終わってしまうんですが、この二人は結婚する必要がないのかもしれません。仲がよくて、もう夫婦のようです。

間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1)間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1)
(2007/11/06)
江國 香織

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2007-12-19(Wed)

『悪魔のラビリンス』

『魔術王事件』の方を先に読んでしまったので、ネタバレ部分がちょっと不安だったんですが、全然問題ありませんでした。
蘭子シリーズは、おどろおどろしさや大掛かりなトリック等、江戸川乱歩の後継のような感覚で読んでいるんですが、今回は寝台特急が舞台の話が出てきて、軽く衝撃を受けました。まぁ、現代の設定ではないと言っても、昭和44年だし、電車が出てきたっていいんですけど。でも、なんとなく、電車のような現代的なものよりは、「人狼城」の時のような、古色蒼然とした雰囲気が合っているかなぁ、なんて思っていたもので。で、電車が舞台となると、ついつい、時刻表トリックのような気がしてしまったんですよ。もちろん、時刻表でトリックを使っても全然OKなんですけどね。ところが、これがちゃんと密室トリック。しかも、かなり奇術的。さすがですねぇ。
悪魔のラビリンス (講談社文庫)悪魔のラビリンス (講談社文庫)
(2004/06)
二階堂 黎人

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